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概要
- 審査証明対象技術
- 審査証明対象依頼者
株式会社岡田工務店
代表取締役 岡田 満
奈良県宇陀市大宇陀下品52番地 - 技術の名称
吹付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術
「O&S・K工法(除去工法)」 - 技術の概要
既存の建築物の施工された吹付けアスベスト及びアスベスト含有吹付けロックウールのアスベスト粉じんの飛散防止を十分に配慮し、かつ、関連法令等に則って安全に除去する技術。
- 審査証明対象依頼者
- 開発の趣旨
既存の建築物に施工された吹付けアスベストの除去に際し、アスベストの飛散を防止する工法を確立し、その普及を図る。 - 開発の目的
- 除去工事に際し、作業区域に隣接する部分の空気1リットル中の繊維状粒子(アスベスト繊維を含む)の本数をおよそ10本以下とすることにより、汚染を抑制する。
- 除去工事終了後に、作業場所における空気1リットル中の繊維状粒子(アスベスト繊維を含む)の本数をおよそ10本以下にすることにより、建築物利用者の安全を確保する。
- 除去工事中の作業者は、関連法令等に則って作業を行う等のほか、施工中に発生のおそれがある事故を想定して、その対策を講ずることにより、安全を確保する。
- 審査証明の方法
依頼者より提出された以下の資料に基づき審査証明を行った。- アスベスト除去工事に関する技術資料
- 施工実績及び繊維状粒子(アスベスト繊維を含む)濃度等の測定データ
- 審査の過程において必要とされた追加資料
- 施工現場調査
- 審査証明の前提
本審査証明は、依頼者から提出された資料等には事実に反する記載がなく、依頼者の責任において適正に設計・施工・品質管理等が行われることを前提に、依頼者から提出された資料に基づいて行われたものである。 - 審査証明の範囲
審査証明は、依頼者より提出された開発の趣旨及び開発の目標に対して、設定された確認方法により確認した範囲とする。なお、個々の工事等の実施過程及び実施結果の適切性は審査証明の範囲に含まれない。 - 審査証明結果
本技術について、前記の開発の趣旨、開発の目標に照らして審査した結果は、以下のとおりである。- 除去工事に際し、作業区域に隣接する部分の空気1リットル中の繊維状粒子(アスベスト繊維を含む)の本数がおよそ10本以下となり、汚染を抑制することができるものと判断される。
- 除去工事終了後に作業場所における空気1リットル中の繊維状粒子(アスベスト繊維を含む)の本数がおよそ10本以下となり、建築物利用者の安全は確保できるものと判断される。
- 除去工事中の作業者は、関連法令等に則って作業を行う等のほか、施工中に発生のおそれがある事故を想定して、その対策を講じていることから安全は確保できるものと判断される。
- 留意事項及び付言
作業者・管理者等に対して、アスベストに関する基礎的知識・本技術の施工マニュアル等について、事前に十分な教育を実施し、安全性の確保に努めること。 - 審査証明経過
- 建設技術審査証明事業において、2013年1月31日付けで技術審査を完了した。
- 2017年9月19日付けで依頼された本技術に関する更新及び下記の変更について技術審査を行い、2017年11月14日付で技術審査を完了した。なお、更新日は2017年11月14日とし、審査証明の有効期限は、更新前の有効期限から起算して5年間(2023年1月30日まで)とする。
- 石綿障害予防規則の改正等に伴う施工マニュアルの見直し
- 繊維数濃度測定計画の一部変更
- 代表者名の変更など
施工マニュアル(施工フロー図)
1. 施工計画書の作成・必要条件書類の作成・提出(各機関)
2. 事前準備
- 石綿作業主任者の選定
- 作業者の選定…石綿取扱い作業従事者特別教育修了者
- 安全教育の実施…石綿作業主任者が実施
- 石綿作業主任者による工事内容把握
- 体制表の作成、提示
- 足場の選定
- 各表示・掲示板の設置・事前調査結果の掲示
- 作業者休憩所の確保
3. 除去処理工事準備作業
<作業前:繊維状粒子(アスベスト繊維を含む)濃度測定>
- 保護衣・呼吸用保護具(半面形防じんマスク)の着用
- 事前清掃(高性能真空掃除機)
- 使用機器、資材、薬液の準備
- 床の隔離作業…プラスチックシート(0.15㎜、2重)
- 足場の組立…単管棚足場、ローリングタワー、脚立足場、可搬式作業台
- 壁、天井の隔離養生…プラスチックシート(0.10㎜、1重)
- セキュリティーゾーンの組立、設備設置(更衣室、洗浄室、前室)
- 負圧除じん装置の設置…0.3㎛以上の粒子を99.97%捕獲
- 粉じん飛散抑制剤吹付け機械の設置
- その他の養生(照明器具、計器備品等)
4. 除去処理工事
- 負圧除じん装置の点検・確認
作業場所及びセキュリティーゾーンの負圧確認 - 天井仕上材、下地材の撤去(天井上に石綿が堆積している場合がある)
- 粉じん飛散抑制剤の吹付け及び含浸の確認
- 吹付けアスベストの除去…ケレン棒、ワイヤーブラシ等
作業開始後、負圧除じんの漏洩がないことを確認
<作業中:繊維状粒子(アスベスト繊維を含む)濃度測定> - 残留アスベストの除去…クリーンアップ清掃
- 除去したアスベストの袋詰め…密閉処理、除去したアスベストに粉じん飛散抑制剤を散布し安定化 1重目作業場内、2重目セキュリティーゾーン内
- 除去したアスベストの処理搬出・一時保管
- 作業内清掃(高性能真空掃除機)
- 検査
- 除去面、養生シート面への飛散防止処理剤の散布
- 施工後の1.5時間以上の換気後、隔離内部の空気中石綿濃度の確認
<作業後(養生撤去前):繊維状粒子(アスベスト繊維を含む)濃度測定> - 天井・壁面等隔離シート、養生シートの撤去・二重袋詰め
- 足場の解体・清掃後の場外搬出
- 床隔離シートの撤去・二重袋詰め
- 除去材料、隔離シート等廃棄物(廃石綿等)の場外搬出
- 仕上清掃(高性能真空掃除機)
<作業後(養生撤去後):繊維状粒子(アスベスト繊維を含む)濃度測定>